2003~2020年度の川崎医科大学衛生学の記録 ➡ その後はウェブ版「雲心月性」です。

川崎医科大学衛生学・大槻剛巳
2005.1.03.記

2005年,新年明けましておめでとうございます。

年末年始は,全国的に雪模様となったようで,郷里の京都府福知山でも,大晦日~元旦と雪模様でした。しかし,2日~3日と天候も回復し,皆様,穏やかな新年をお迎えになられたことと,お慶び申し上げます。

昨年は,三浦先生が着任してくださったこと,そして,補助員さんの人事で,坂口さんが移られ,畑田さんが,新たに参加してくださったことが,教室としては,大きな変化でした。

さて,川崎医科大学衛生学 2005年は,どうするか,目標をどう設定するか,ということですが,まぁ,これは,去年までと同じで,大学の,医学部医学科の基礎系教室として,研究業績を挙げる,ひいては,そこはカヴァーしている領域が社会医学~予防医学ですので,私どもの研究成果が,社会に有用に還元されていくことを目標としなければならないと思っています。

昨年11月に行われて私も参加してきました 世界アスベスト会議 では,我々が研究対象としてるアスベスト/石綿によって,健康障害,特にこの場合,石綿肺のみならず肺癌・悪性中皮腫が生じるため生命に深く係ってきますが,を,被った人々の心の叫びを聞いてきました。改めて,社会へ還元できるだけの研究業績を発信していかなければならないのであろうことを,意識に書き留めてきました。この気持ちは,今年,そして,今後の教室の研究の方針や方向性を決めるにおいても,常に,底の処で,意識しておかなければならない処だと思っております。

当然,学会発表と論文投稿~発表を今年もしっかりやっていこうとは思っております。教室員の皆様,お互いに頑張りましょう。

教室関連での印象としましては,私が感じていることがもう一点あります。それは,個々の人材が,自分が得意であり熱心に対峙していることであり,あるいは,重要に,もしくは大切に思っていることが,正当に,真っ当に,そして高く評価される立場で,人生を過ごすことの重要さということです。生きがい とか,やりがい とか,そういう気概の部分は,実際の生活や仕事の成果にも直接影響してくるものだと思います。そして,その気持ちをちゃんと個々の人に与えてくれるのは,自分の想いと周囲からの評価などが,出来るだけ一致しているに越したことはないということです。それは,別に仕事の面のみならず,家庭での生活や,あるいは,ヴォランティアとかホビィに関係することなども含めた他のプライベートな部分での生き方なのかも知れませんが,そうであっても自分のしたいことがちゃんと評価されているって感じられることは,とっても重要だと思います。あるいは,そういう立ち位置に向かって自分も努力したり,向かっていくという姿勢も必要なのかも知れません。だから,何をどうしなければ,という部分ではありませんが,昨今ですから,誰もが,そういう気持ちの動きを徒に我慢することもなく,率直に伝え合うことも必要なのでは,と,感じている処です。

教育に関連しては,私どもの領域は,2004年度に大幅な変更を導入しましたので,4月からの2005年度は,若干の変更という感じで,見学実習先の増加であったりブロックに一部,リハビリテーション領域が加味される,ということであったり,と,思います。

非常に漠然とした云い方ではありますが,学生諸子にいかに頑張ってもらうか,それは,ある面,学生諸子の姿は,教員即ち我々の生き様の鏡に映った姿ではないかとも思う訳で,例えマス講義のような場面であっても,例え,その時間は,偶々教科書をひたすら読むのに近いような内容の授業であっても,そこここに挟まれる余談めいた関連の話題の語り口,あるいは,教えている内容に対するどうしても出てくる個人的な感覚の表現,などなど,そこに,いくら単に教科書を学生に translate するだけであっても,そこには,教員側の生き様や自分が対峙していることに対する熱心さや,もっと云えば人柄や,大きく云えば人生の先輩としての姿勢が現れる筈で,学生諸子はそれに応答してくれているものだと思います。だからこそ,講義だからどうこう,ではなく,常日頃の生き様として,精一杯,一所懸命やっていかなければならないことだろうなぁって思ったりします。また,学生諸子も点数のことだけ考えず,我々教員の生きる姿勢を感じてくれて,そんなことを参考にしながら,自分の将来像(具体的などんな医師になりたいとかではなくっても,生き方としてあんな人も格好いいじゃんって感じ)を漠然とでも良いので,描いてみてくれれば良いのでは,なんて,感じます。

ちょっと,まだ,50年も(もう少しだけど)生きていないので,偉そうなことは云えないですが,まぁ,そういうつもりで,自分も生き様を晒してもよいのでは,なんて処ですね。

ということで,皆様,今年も何卒よろしくお願いします。

また,お読みになってらっしゃるすべての人にとって,本年が素晴らしい一年でありますように。